先日の「奄美大島紬の技に迫る〜伝統を受け継ぐ、つくり手たちの現在を知る」講座より、
「きもの知るほど〜よくわかる!大島紬」を加筆、画像も加えて更新しました!
ぜひ、ご覧くださいまし〜!
さて。今日のテーマは「きもの知るほど」に追記するつもりで書き始めましたが、書いているうちに、これは大島紬に限らない問題だ!と思い、おおいに私情も交じってしまったので、こちらに載せることにしました。
本場奄美大島紬は、1972(昭和47)年の28万4278反をピークに、’85年以降減少の一途
をたどり、2010年には、ついに1万反を割り込むようです。
きもの業界全体でいえば、経済産業省の統計によると、2009年度きもの小売市場は約3210億円で、これは10年前の1999年度に比べて約60%減という数字だそうです。
こういった落ち込みの理由として、よく言われるのが消費者の「和装ばなれ」。
世界的な景気停滞によって和装ばなれがさらに進行している、とか分析されるようですが。
「和装ばなれ」、ほんとにそうなんでしょうか
姫丸は、ここ数年「きものブーム」が来ている、と感じています。
この「きものブーム」は、リサイクルやオークションなど「きものを安く手に入れやすい環境」ができたことが背景にあると思います。
でも、こういった市場は、統計には出てこないのでしょう。
きものは姫丸世代(40代、50代)にとって、ふだんを変える究極のコスプレ、ちょっと違う自分を発見しながら素敵に年を重ねるための衣装、あるいは奥深く集める楽しみもある趣味・・・と、人それぞれだと思いますが、「自分のために着たいから着る」というのは共通しているように思います。
きものは着たいし欲しい そんなきもの好きの人は、確実に増えていると感じます。
でも、現実問題として、なかなか新品を誂えるほどの余裕はない(統計には表れない)。
買い方が変わってきて、「呉服店ばなれ」は進行しているかもしれませんが・・・
果たしてこれは「和装ばなれ」なのでしょうか?
姫丸は、作り手さんたちの「時代を超えるいいものを作りたい」という強い想いと創意工夫に触れ、
また大島紬の製造工程を知っていくにつれ、たくさんの職人さんたちの気の遠くなるような労力と技の結晶であり、日常に長く愛用できる着物となる大島紬は、産直価格なら決して高くはない、と思います。
実際に産地で全工程を見学してこられた方などは、逆に「こんなに安くていいのか」と思われたそうです。
しかし。呉服店の店頭に恭しく並べられたとたんに、別次元の「高い・・・」になってしまいます。
産直価格と店頭価格、その差を埋めるだけの価値を、呉服店に見いだせるのか?
お仕立て、お手入れ、すべてネットで探せば間に合う時代、
姫丸は、もう呉服店の客にはならないと思います。
でも、産地の応援団には、なりたい!産直なら、がんばって買いたい!
だから産地の皆さまには、声を大にして言いたい。
職人さんたちがちゃんと生活していける、後継者を育てられる、そんな産地であってほしい。
そして、作り手の方々から直接、産直価格で買える機会を、もっと増やしてほしいぞ〜〜〜