今年も京都文化博物館で開かれた「第87回 京都誂友禅染競技会作品展示会」へ行ってきました!
もう10日ほど経ちましたが。あれから「お誂え」とリサイクルの間で想うこと多々。と、それはあとにして。
誂え友禅といえば「柄を選び、柄の出し方も配置も色も・・・染師と相談しながら好みで注文すれば
世界に1枚だけの、わたし好み・わたし仕様の着物(帯)が染め上がる」というもの。
今回は、この型紙が染師さんの間で人気のようで、よく使われていました。
型紙の後ろに見える小紋も、型紙を活かした粋柄です。ほかにも・・・
右から2番めは型紙そのままの柄ですが、色の配置と濃淡だけで、こんなにモダン♪
あら。よく見ると左から3番めは、型紙の3つの柄をタテにつないで染められています。
右側は、花柄だけを抜き出した可憐な小紋。
・・・と、同じ型紙から全然イメージの違うものが、無限に生まれてくるのですね〜。
ニャニャッ!にゃんとカワイー
京都にはイチョウ並木って、あったっけ?・・・ないものだからか、イチョウの柄も、いろいろありました。
色づかいや柄の取り方で、粋な訪問着にも
色っぽい雰囲気の訪問着にも。右側は、ちょっとパターンの違うイチョウ柄の小紋、2色。
わ〜〜〜、姫丸の今回の欲しい〜〜〜は、これも型染め?という、やわらか〜な梅柄の帯地♪♪♪
そして今回の大賞「経済産業大臣賞」の作品は、こちら
制作は泉谷染工場、社長さんもいらっしゃいましたが・・・「ほとんど彼女が制作したんです」とのことで
彼女に登場していただきました!(すみませんっ、お名前を聞き忘れてしまいました )
若い女性の方が制作の第一線で活躍してらっしゃるなんて、着物ファンにとってもうれし〜頼もし〜!
と、ここまできてからナンですが。これまで「誂え友禅」って、ご存知でした?
姫丸は昨年こちらの展示会に来るまで、誂える=反物を買って仕立ててもらうことだと思っておりましたが。
「昔は皆さん、ふつうに、白生地を持って相談に来られた」そうです。
いまは、できあがった反物から選ぶ、仕立て上がったリサイクル品から選ぶ、とか、
便利になったぶん、きものとの向き合い方が、横着になっているな〜という気がします(私のコト)。
リサイクル品でも、わ〜出会えた〜というトキメキ、ウキャ〜ッ!と手に入れる喜びは、大きいけど。
自分の好みを深く掘り下げ、そこから情熱と美学をもって染師さんとデザインを練り上げ、
プロの手技を借りながら自分だけの着物(帯)に昇華させていく・・・
そういう時間だけが熟成してくれるであろう着物との肌合い、一体感、そしてそこから湧き出る美しさ・・・
きもの姿が素敵な京女の方々をたくさん見るにつけ、これにはやはり「お誂え」の魔力もあるのではないか
と、思わずにいられません。
とくに「染めモノ」は色も柄も自由度が高い分、その人らしさが着姿に佇まいに、にじみ出るようで。
この、着物を白生地から誂える経験が身に纏わせてくれる空気の、艶っぽい濃密感というようなものは
どれだけリサイクル品を数多く持っても無縁、きものを着る女として磨かれない気がします。
きものをファッションとして楽しむ分には、リサイクルで十分だけど・・・それだけじゃ寂しいかも。
たとえば何かの記念に、母と娘で(夫と妻で)同じ型紙の柄から、それぞれの好みで着物を誂える、とか
そんな人生の楽しみ方としての「お誂え」が、いつかできたら素敵だな〜と想う姫丸です。
昨年の「第86回 京都誂友禅染競技会作品展示会」についてのブログは、こちら
京都誂友禅工業協同組合のホームページは、こちら