手織りの本場大島紬の特徴は、「非常に細かい絣だけで模様が表現されている」こと。
タテ糸ヨコ糸を交互に織っていく「平織り」という織り方で織られるので、
「表を見ても裏を見ても同じ模様」になります。
手織りで織られるものには、経緯絣、緯絣、縞大島、があります。
経緯絣(たてよこかすり)
タテ糸とヨコ糸、4種類の糸を用いて織られます。
模様の設計図に基づいて複数色に染め分けられたタテ絣糸とヨコ絣糸を、正確に絣合わせしながら織ることで模様が表現されます。
タテ糸 : タテ絣糸(複数色に染め分けられた糸)、タテ地糸(単色で染めた無地の糸)
ヨコ糸 : ヨコ絣糸(複数色に染め分けられた糸)、ヨコ地糸(単色で染めた無地の糸)
<経緯絣の技法>
経緯絣は「どんな技法で織られたか」によって、ひとつひとつの「絣そのものの形」が違い、
絣で形づくられる模様全体の見え方も違ってきます。
■ 片ス式(カタス式)
現代では片ス式で織られたものが最も多く流通しているようです。
絣の作り方 : タテ絣糸1本とヨコ絣糸2本の交差で、1つの絣を作る。
絣の見え方 : Tの字型の絣
■ 一元式(ひともと式)
「一元式では7マルキが限界」といわれるほど高度な技法です。
同じマルキ数なら、片ス式よりも模様が細かく立体感に見えます。
絣の作り方 : タテ絣糸2本とヨコ絣糸2本で、1つの絣を作る
計4本の絣糸を合わせて1つの絣を作るため、絣を合わせるのが難しい。
絣の見え方 : 風車のような十字の絣
■ 割り込み式
割り込み式で織られた大島は「割り込み絣」と呼ばれます。
難しい技法で、熟練の織り手でも織れる人が限られています。
絣の作り方 : タテ絣糸2本×ヨコ絣糸2本、タテ地糸2本×ヨコ地糸2本、
タテ絣糸1本×ヨコ絣糸1本、タテ地糸1本×ヨコ地糸1本、を繰り返す。
絣糸の数が変わるために絣合わせが難しい。
絣の見え方 : Tの字と十字が重なったような複雑で立体感のある絣
総絣(そうがすり)
経緯絣の中でも、すべてのタテ糸に絣糸を用いたもの*を総絣といいます。
絣をより白く浮かび上がらせ、柄に立体感、色に奥行きを表現できます。
図案・設計〜織りまで、すべての工程で難しく手間がかかるため、大変稀少です。
(*織り元によっては、タテ絣糸・タテ地糸 + すべてのヨコ糸に絣糸を用いた総絣を織っているところもあります)
参考:蚊絣(かがすり) 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
蚊絣とは、片ス(T字型)もしくは一元(十字型)の絣が「反物全長・全幅にわたり等間隔に規則正しく並んでいる」ものをさします。(蚊絣という名前の絣のカタチが存在するわけではありません)
絣で花柄などの柄を織り出しているものではなく、絣そのものが唯一の柄で、遠目には無地のように見えます。
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緯絣(よこかすり)
ヨコ糸だけで模様を織り出したものをいいます。ヨコソと呼ばれることもありますが、正確には「緯絣」です。
証紙では、緯絣ではなく「織絣(おりがすり)」と表記されます。(後述)
緯絣の絣は「小さなヨコ線」で、この線だけで柄にしていくのでデザインの自由度が高く、さまざまな柄のものが織られています。
■ 緯絣(よこかすり)
タテ糸 : タテ地糸 ヨコ糸 : ヨコ絣糸、ヨコ地糸
■ 緯総絣(よこそうかすり)
すべてのヨコ糸に絣糸を用いたもの。緯絣にくらべ複雑かつ鮮やかな柄が表現できます。
タテ糸 : タテ地糸 ヨコ糸 : ヨコ絣糸
縞大島(しまおおしま)
縞大島は基本的に地糸(無地の単色染め糸)のみで織られます。
このため絣糸をつくる「絣締め」の工程は発生しません。
■ 縞大島
単色の地糸のみといっても、さまざまな単色の地糸を用いることにより、グラデーョンや多色づかいの縞柄、格子柄などの表現が可能です。
タテ糸 : タテ地糸 ヨコ糸 : ヨコ地糸
■ ヤタラ(ジャジャ)織り
ヤタラ織りは、経緯絣や緯絣のために染められた絣糸の残糸を使用して織られます。
主な目的は残糸の有効利用ですが、様々な色が入った世界に一枚だけの着物を楽しめます。
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