ひとことで大島紬といっても

織りの着物を代表する本場大島紬。本場大島紬といえば本来「先染め・手織り」ですが、 近年では「先染め・機械織り」「機械織り・後染め」といった大島紬もあります。 また、たくさんの工程を経て作られる手織りの本場大島紬は、 染め方の違い、織り方の違い、織り技法による違い、マルキによる違いetc. 実に様々なところで違いが出てきます。 世間一般で「大島紬」といわれているものをザックリと分解して、一覧にしてみました。 左から右へ、染めと織り方の組み合わせで、 「泥染め・経緯絣・一元式・5マルキ」もあれば、「泥藍染め・経緯絣・片ス式・9マルキ」も、 「化学染料・手織り・緯絣」も、「泥染め・機械織り・縞大島」も、 [...]

ひとことで大島紬といっても2020-06-19T04:20:58+09:00

本場奄美大島紬の技に触れる

2011年1月10日、東京ミッドタウン ガレリア3F「The Cover Nippon」において、 ニッポンブランド・マイスター公開講座 「奄美大島紬の技に迫る〜伝統を受け継ぐ、つくり手たちの現在を知る」 が開かれ、大島紬の作り手さんたちの話を聞き、機織りの実演を間近に目にする機会に恵まれました。 百聞は一見にしかず。 糸の染まり方、織機への糸の掛け方、そして細かい絣を織り出していく技・・・ 全30工程の中で私が目にしたのはごくごく一部分ですが、この「よくわかる!大島紬」を「よりよくわかる!」にしてくれるものでした。 [...]

本場奄美大島紬の技に触れる2020-06-19T04:42:55+09:00

本場大島紬のチカラ

 本場大島紬に作家物はない 「本場大島紬に作家物はない」といわれます。 それは各工程ごと職人さんが分業しているためで、一反一反の本場大島紬は職人さんたちの技の集大成といえるものだからです。 たとえば、泥染め・経緯絣・一元式・7マルキの本場大島紬。 それは、こんな色と模様の着物を作ろうという図案や設計図そのものから緻密で、絣糸を染める準備や絣締めにも、泥染めにも、染め上がった糸を織り機にかける前の糸の準備、絣糸の配列にも、もちろん織りにも・・・最初から最後まで熟練の技で大変な手間をかけて作られています。 それぞれの技において伝統工芸士はいても、作家はいない。 これこそ本場大島紬産地の誇り、ではないでしょうか。  ふだんを特別にする着物 絵羽に織られたものや染め大島の訪問着や付下げはフォーマル着ですが、それ以外のすべての本場大島紬は、どれほど手間がかかっていても、どんなに高価でも、きものの「格」では普段着です。 でもこれは、フォーマルな席にはNGというだけのこと。 [...]

本場大島紬のチカラ2020-06-19T04:41:31+09:00

本場大島紬 証紙の見方

産地ごとの規定の基準を満たし、厳しい検査に合格した大島紬の反物には、産地の「登録商標」が貼られています。 一般的に「証紙」と呼ばれることが多いですが、正確には産地を証明する「登録商標」です。 登録商標には必ず「織り元の名前」が入り、検査合格印が押されています。 また、それぞれの産地ごとの染めの基準を満たし、厳しい検査に合格したものには「染め証紙」が貼られています。  鹿児島産「本場大島紬」の場合 登録商標=旗印(発行元 :本場大島紬協同組合) < 手織り > [...]

本場大島紬 証紙の見方2020-06-19T04:40:39+09:00

機械織りの大島紬

本場大島紬には、機械織りで作られているものもあります。 鹿児島県大島染織指導書発行の創立50周年記念誌によれば、「昭和39年に自動織機による無地・縞の絹織物生産される」という記述があり、機械織りの生産が本格化したのは昭和40年代からです。  機械織りの種類 ■ 緯絣(織絣) ヨコ絣糸だけで模様が織り出された、緯絣が織られています。 手織りの緯絣と同様に、緯マルキという単位が使われます。 ■ 縞大島 無地柄、格子柄などがあります。反物の端に「本場縞大島」とあるものは機械織りの縞大島です。 [...]

機械織りの大島紬2020-06-19T04:38:17+09:00

本場大島紬 マルキと亀甲

本場大島紬は、絣で模様を表現します。この模様の緻密さを表す単位が「マルキ」と「亀甲」です。 絣糸が多く用いられるほど絣の密度が高くなり、模様も緻密に織り出されます。 この絣糸の数を表す単位には「マルキ」が用いられ、模様の緻密さの目安になっています。 亀甲柄に限っては、「亀甲」という単位が用いられています。  マルキ 「絣糸が使われている本数」=「マルキ」。 1マルキ=絣糸80本。数字が大きいほど、より細かい緻密な柄になります。 <経緯絣の場合> 通常、本場大島紬のタテ糸の総数は1,040本〜1,508本。 このうち「タテ絣糸がどれだけ用いられているか」によって「○マルキ」と呼ばれます。 [...]

本場大島紬 マルキと亀甲2009-10-21T17:29:07+09:00

本場大島紬 手織りの種類と絣

手織りの本場大島紬の特徴は、「非常に細かい絣だけで模様が表現されている」こと。 タテ糸ヨコ糸を交互に織っていく「平織り」という織り方で織られるので、 「表を見ても裏を見ても同じ模様」になります。 手織りで織られるものには、経緯絣、緯絣、縞大島、があります。 経緯絣(たてよこかすり) タテ糸とヨコ糸、4種類の糸を用いて織られます。 模様の設計図に基づいて複数色に染め分けられたタテ絣糸とヨコ絣糸を、正確に絣合わせしながら織ることで模様が表現されます。 タテ糸 : タテ絣糸(複数色に染め分けられた糸)、タテ地糸(単色で染めた無地の糸) ヨコ糸 : ヨコ絣糸(複数色に染め分けられた糸)、ヨコ地糸(単色で染めた無地の糸)   [...]

本場大島紬 手織りの種類と絣2020-06-19T04:37:05+09:00

本場大島紬 染め方の種類

本場大島紬は、先に糸を染めてから織る「先染め」です。 染料には、天然のものと化学染料があります。  天然染料で染める 泥染めのほか、さまざまな染め方があります。 ■ 泥染め テーチ木(車輪梅の木)で染色した後、泥田につけ込み全体に泥がなじむように染めていきます。 テーチ木染め約20回に泥染め1回を1工程とし、それを4回(合計80回前後)繰り返します。 この工程を経るうち、泥の中の鉄分とテーチ木のタンニン酸が化合して黒へと変化し、しっとりした深みのある光沢が出てきます。 また、泥染めの工程を経るうち絹糸はしなやかさを増し、織りの着物の中では格別の柔らかい着心地が楽しめます。 [...]

本場大島紬 染め方の種類2020-06-19T04:33:55+09:00

本場大島紬 産地と生産工程のポイント

本場大島紬 サラッと産地など 大島紬は、奈良時代から手紡ぎ糸で褐色紬が織られていたとされる鹿児島県奄美大島が発祥地で、久米島紬の流れを汲むという説が有力です。明治になってから盛んに作られるようになりました。 【産 地】 奄美大島、鹿児島県、宮崎県都城 近年は、第二次大戦中に奄美大島から鹿児島に疎開した人たちによって織られた、鹿児島産が多いようです。(昭和50年〜60年代頃に韓国産が出回りましたが、今は不明) 【素 材】 正絹100% 昭和〜現在の本場大島紬は、紬と呼ばれているものの紬糸ではなく、本絹糸だけを用いて作られています。このため独特の光沢があり、シュシュッという衣擦れの音が楽しめます。 絹糸は、ほとんどが外国産だそうです。 [...]

本場大島紬 産地と生産工程のポイント2020-06-19T04:27:16+09:00

よくわかる!大島紬

きものは大島紬が一番!という方から、いつかは本場大島紬を・・・という方まで、 買う側の私たちが知りたい、知っておきたい「大島紬の知識」を、まとめました。 私は昔から大島紬が大好きですが、いざ書こうと思うと知らないことだらけな自分に気づかされ、 調べていくと「そーだったのか!」の連続で、より突っ込んだ「?」もフツフツわいてきて。 わからないことをそのままにしておけないし、とんでもない間違いがあってもいけないので、 大島紬の専門家にお願いして原稿をチェックしていただきました。 お忙しい中お時間をさいてくださり、たくさんの質問に丁寧に答えてくださり、貴重なアドバイスをくださいました方々に、心より感謝いたします。 なお、この「よくわかる!大島紬」は、himemaruの責任において掲載しているものです。 イラストや画像もhimemaruが作成したものであり、内容に加筆・修正がある場合もあります。 このことをご承知おきの上、あなたのきものライフにお役立ていただければ幸いです。 [...]

よくわかる!大島紬2009-10-17T17:30:27+09:00
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