おばあちゃんの夏きもの(2)

梅雨の晴れ間は、夏きもの日和。
「ね〜、木綿の着物に絽の帯って大丈夫かしら?」と着物友達から電話が来ましたが。
単衣の着物と、単衣用の帯or夏帯・・・
どう組み合わせて着ればいいのか、悩む季節ではあります。

一応、ルールとして
6月前半は、単衣の着物に単衣の帯、
6月後半は、単衣の着物に絽や紗の夏帯もOK、
7月〜8月は、絽、紗、麻、夏大島など夏の着物に、絽、紗、羅の夏帯・・・

だったと記憶していますが・・・姫丸はアバウトに、暑苦しく見えなきゃいいの!と、
その日の気温など「体感」で着分けることにしています。

この季節に活躍してくれるのが、おばあちゃんの夏きもの(2)。
昭和の半ば頃のものでしょうか、お出かけ着だったのかな〜と思える着物で、
黒地に白のライン、粋な柄には金糸と紺色が入っています。
少し透け感のある素材なので、単衣〜夏の着物としても着ています。

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6月中は薄手の変わり織りモノトーンの帯を合わせ、クール・モダンに♪
この帯、昨日手元に届いたばかりですが、さっそく出番。
昔の着物が、都会の景色にもスッキリ映える〜!と自画自賛のコーディネートで、
今週、国立新美術館〜飲み屋コースへ、着ていく予定♪

盛夏になれば、羅の帯を合わせて、清涼感アップ。
少しでも色が入ると、やわらいだ雰囲気になるから不思議です。

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やっぱり着物は帯しだい。
おばあちゃんの着物があるから、夏の着物も浴衣も、そう欲しいとは思いませんが。
あちこちに着て行きたい着物があるからこそ、帯への欲望は尽きませんわ〜〜〜。

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おばあちゃんの夏きもの

この前のブログで、「こんな場面に着たい、こんな場面がありますように」という想いも込めて
着るものを買ってきた、と書きましたが。

想いも引き継いで着るもの、といえば、おばあちゃんの形見の夏きものです。

黒地に絞りのような染めで大胆な波の柄で、とっても粋。
小柄で、おとなしめだった祖母の、どこにこういう趣味が・・・と意外に思いながら一目で気に入り、
祖母の生前もらい受け、仕立て直したものです。

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祖母は、明治の終わり頃の生まれ。
戦後の食糧難の間、祖母の着物は大半が、家族のための食料に換わったそうです。
幼かった母の手をひき、着物を包んだ風呂敷を持って電車に乗り、農家を尋ね・・・
帰りの風呂敷の中味は、わずかな食料。
そうやって着物を一枚一枚はいでいくような暮らしを「筍生活」といったそうです。

私の記憶にある祖母は洋服で、遺されていた着物は、多くはありませんでした。
最後まで持ち出さずに手元に置いていたもの、食糧難の後に誂えたもの、両方あったと思います。

それにしても・・・こんな大柄の着物、こんな凝った羽裏の羽織・・・
いったい、いつ着るつもりだったのだろう。どこへ着ていくつもりだったのだろう。
祖母の普段の生活からは、かけはなれているような気がするものも、ありました。
・・・でも、このことが、私はすごく、うれしかった。

祖母が着ようと想った場面は、かなわなかったかもしれない、けど。
着物を誂えられる時代になり、誂えるだけの余裕を持てたこと、
なにより、苦しい時代を経てきた分、ささやかに贅沢し幸せな夢を想い描いたであろう、
そのことが、よかったな〜と思えて。

まもなく単衣の季節。祖母の誕生日は6月で、ちょうど、この着物の季節です。
お墓には、めったに行かないけど。着物の袖に、千の風。できるだけ
おばあちゃん、きっと、こんなふうに着たかったんやろな〜と思える場面に、着て行きます。

今年は、最近GETした水鳥の帯でシックに、おばあちゃんと一緒です。

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あら、そういえば・・・いつのまにか私も、私が生まれた頃の祖母の年に、なっちゃってるわ!

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母の着物を今モダンに

今日は私の誕生日です r15.gif
何度目?というと、マイケル・ジャクソンが迎えられなかった、その年になりました。
同い年にはマドンナ、シャロン・ストーンという大物が揃っています。女性たちはみんな
若くてパワフルですよね〜、私も!(^o^;)!

ここは健康に産んでくれた母に感謝して、母から譲り受けた着物のコーディネートで
来る秋を迎えたいと思います。
母の若い頃のものだから、おそらく昭和20年代の立派にアンティーク!の小紋。
地紋のある絹地に赤と黒の縞、当時としてはモダンだったはずの洋花、おそらくバラの
大輪の飛び柄です。かなり派手!

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40才〜のアンティークものは、ヘタするとケバいオバサンになりかねないので、
帯で「大人の遊びの派手領域に納め、小粋に決めたい!」というのが姫丸流です。

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< シンプル・モダン >

着物の柄の中の1色をとってシンプルな帯を合わせる、というのは無難にして失敗なし。
単色の紬の帯でカジュアルに振るとチープになるので、格上げになる帯を合わせて、大人の余裕での着こなしをめざします!
【帯】 なごや帯
光によってじんわり光沢が出る辛子色がかった金箔の帯を合わせて、すっきりと。
帯締めを白黒の市松にしたら、グッと洒落っ気が増すだろうな〜。

< クラシック・カジュアル >

しゃれ袋帯の上質感が、アンティークを「クラシック」に変換していると思います。
街着にも、城下町の街並や古くからJAZZをやっている店にも似合う雰囲気♪
【帯】 しゃれ袋帯(織り地)
天然染料染め、生成がかった白と墨黒に金糸の織り込まれた織り地の洒落袋帯。
オークションで一目惚れ、もしかしてこの着物にも合うかも!と思い、バトルを制して
めでたくGETしたものです。帯締めは辛子色で決まり!

受け継ぐ着物がある、というのは、とても幸福なこと。
ずっと大事に、いつでも着られる状態にしていたい・・・と改めて思った、
虫干しに最高の良く晴れた秋の始まりバースデーです。

女の情念「幸福系」リサイクル

オークションといえば、大半はリサイクルきもの。
「知ってる人から譲り受けるのはいいけど、リサイクルは前の持ち主がどんな人かわからないから、ちょっと怖い」という友人がいます。彼女いわく
「きものには女の情念がこもっている、というでしょ。自分のパワーより前の持ち主の情念のほうが強ければ、なんだか乗り移られそうで・・・」

う〜ん、乗り移り。夏の夜のスリラー(笑)って、私もチラッとは怖いかも f14.gif
とはいえ、前の持ち主さんはどんな人なのだろうと想像したりはしません。

だって、ね。どんな人だったにしても、きものを誂えるときは、きっと
「このきものを着て好きな人や家族と幸福な時間を過ごしたい」と願い、
「そのきもので楽しい時間を過ごしている幸福な自分」を胸に描いていただろう
と思うから。
きものに込められたものを情念と呼ぶなら、それは決してドロドロした怨念系ではなく、明日を信じ、かなえたい夢や願いを込めた幸福系。そう私は信じています。

持ち主の元から離れ、オークションやアンティークとして市場に出てきた、
きものや帯たち。それはRe-SETされた状態で、
新しく想いを込めてくれる人のために、そこに存在しているはず。

だから落札したきものが届いたら、ハンガーに掛けながら心の中で挨拶します。

ようこそ、私の元へ。タンスが窮屈で悪いけど、よろしくね。
いいとこ行こうね。たくさん楽しい時間を過ごそうね。

これでもう大丈夫!Myきものになりました。たくさん着てあげなきゃ、ね。

それでもやっぱり怖い?女の情念・・・きものをめぐる11の短編集
どっぷり浸り、一気に読みました。文句なくおもしろいですよ〜 p02.gif

林真理子さん著 着物をめぐる物語 (新潮文庫) 620円

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