本場大島紬のチカラ

 本場大島紬に作家物はない 「本場大島紬に作家物はない」といわれます。 それは各工程ごと職人さんが分業しているためで、一反一反の本場大島紬は職人さんたちの技の集大成といえるものだからです。 たとえば、泥染め・経緯絣・一元式・7マルキの本場大島紬。 それは、こんな色と模様の着物を作ろうという図案や設計図そのものから緻密で、絣糸を染める準備や絣締めにも、泥染めにも、染め上がった糸を織り機にかける前の糸の準備、絣糸の配列にも、もちろん織りにも・・・最初から最後まで熟練の技で大変な手間をかけて作られています。 それぞれの技において伝統工芸士はいても、作家はいない。 これこそ本場大島紬産地の誇り、ではないでしょうか。  ふだんを特別にする着物 絵羽に織られたものや染め大島の訪問着や付下げはフォーマル着ですが、それ以外のすべての本場大島紬は、どれほど手間がかかっていても、どんなに高価でも、きものの「格」では普段着です。 でもこれは、フォーマルな席にはNGというだけのこと。 [...]